インドネシア国内で去年に発生し、衝撃が走った13歳の少年Aによる猟奇的な連続誘拐殺人事件の判決が少年法(少年少女刑罰保護法)により軽減され、名前も公表されず少年更生病院7年となった。それに対し犯罪被害者・遺族団体を中心として国内でその軽い判決と少年法に批判が殺到した。
ドゴロニデ首相は「国民の声を聴き、それに応答するのが民主主義国家である議会の役割だ。否決される可能性もあると思うが、それは一応でもやってみないと分からない。」と会見で答えているから、今回それを行動に移したと思われる。
連立与党側と左派野党側で壮絶な応酬が繰り広げられ、当初与党側が劣勢だったが、特別証言資料委員として演説した国内最大の遺族団体の代表であるアリド・シェティ・ドイグネ氏の涙ながらの演説に心打たれた一部の国民左派党議員が賛成に回り、本法廃止は可決した。ドイグネ氏は自らも妻と息子二人を未成年による強盗殺人で失っており、その際の犯人も少年法で大幅に減刑されている。
少年法はかつて、劣悪な環境の刑務所で少年少女がレイプや病気、殺人、傷害で次々と死亡していくのを防ぐ為、また、死刑を免除する為の法律として制定された。その為、少年少女の人権が保護されないという批判もある。また本法律の廃止により、事実上0歳から死刑が可能になり、実名報道も可能になる。
廃止に伴う議論で、犯罪者の人権保護を訴える極左の市民社会党の反発は凄まじく、一人が闘争発展党議員を殴打し退会命令が出た。
コンパス・ジャカルタ紙日本語版
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