(写真)市民社会党パンパン・イ中央委員長。中央委員長とは事実上の党首に当たる。朝鮮人とのハーフ。
最近世間を騒がし、逮捕者が出るほどの強硬的な極左政党、市民社会党。今日はその党首とその思想の素顔に迫る。
生い立ち
アブデュル・アセム記者(以下“記”)「はじめまして。」
パンパン・イ委員長(以下“イ”)「はじめまして。」
記「まずは入党までの経緯を聞かせて下さい。イ委員長はかなり複雑な血筋のご家庭に生まれたそうですね?」
イ「はい。まぁ複雑というか多国籍というか…。韓国とインドネシアとのハーフです。旅行会社に勤めていた父と料理店の母の間で生まれました。父はイ・ホといい、インドネシアで帰化し、某旅行会社に勤めるまでは韓国で労組の書記長をやっていたと聞いています。」
記「なるほど。お父様の思想を受け継いだ感じでしょうか?」
イ「確かに、父の影響は排除しきれないと思います。父から毛主席語録を渡されたり、主体思想に関する色々を教わりましたから。しかし、成人して独り立ちすると、父の共産主義的思想は所詮それもまた軍国主義、国家主義であり、人民の利益にならないと思いました。そこで、国家的共産主義…所謂ソ連型、中国型と決別しました。」
記「そこで、無政府思想に触れたのですか?」
イ「いいえ。でも無政府主義は究極目指すべきところであり、今の状態では無理だと考えました。そこで、大学の新左翼研究会で触れた反国家主義単一平和市民政府思想が理想にピタリとキマり、研究を開始しました。」
記「それは諸外国の影響を受けましたか?」
イ「そうですね。文革期毛主席思想等、色々と影響は受けました。日帝の子孫である犯罪国家日本で生まれた“反日亡国論”に感銘を受けましたね。あれを唱えた同志は真に世界を良い市民世界に舵を切らせたいのだと思います。それで、一時期日本に留学してましたね。日帝本国には嫌々でしたが、この思想を習得する為に渡りました。」
記「今wikiでその思想の解説見ようと思いましたが、インドネシア語版がありませんね。」
イ「このHARAHARAって本に書いてあります。」
───
記「なるほど。市民社会党の一部の思想と少し似ていますね。」
イ「そうですね。私が委員長になって、変えさせました。」
記「話を元に戻しましょう。それで、その研究会の所属が理由で大学を退学になり、この党に入党したと。」
イ「はい。ひどい国家主義的大学側の陰謀と弾圧だと思います。」
現在とこれからの世界
記「少し前ですが、オーストララシアで人種差別が問題になりました。この様に、世界では民族対立等、様々な理由で人種差別が蔓延っています。これについてどう思われますか?」
イ「オーストララシアの人種差別報道を見たときに吐き気がしました。あんなおぞましく下品で全体主義的な五流国家が、この現代でもまだ生き残っていたのかと。あらゆる差別とは、人間が組織を作った瞬間起こり得るものです。残念ながら、民族や国家がある時点でそれは防げません。だから、我々の提唱する善良な市民による単一市民政府が必要なのです。最早民族・国家・文化は時代遅れの代物なのです。我々は単一市民政府による単一の市民、単一の文化を求めています。」
記「そうですか…。今、過去に戦争を起こした国家…例えば日本やドイツ等と一部の植民地や併合された地域国との対立が深まっていますが、それについてはどう考えますか?」イ「ひどい話です。全ての被害を受けた市民に戦争犯罪国家は全てを差し出さなければなりません。例えば日本は元々日帝本国人の土地では無く、アイヌ人や琉球人、南方民族の土地でしたが、日帝人に追いやられてしまいました。朝鮮半島や中国に対してはもちろん、それに対する補償、賠償、返還も例外ではありません。これを提唱したのが“反日亡国論”です。これは反日の枠で収まる事無く、反独や反米にも用いられるべきです。インドネシアだってそうです。西パプア諸問題もそうですし、オランダへの慰安婦問題に対する賠償と補償どころか知らんぷりを続けている。これでは下品なオーストララシアや日帝本国、アメリカ、フランスと何も変わりません。インドネシアの中だけでも変わりましょう。」
記「世界では王室、皇室がありますが、イ氏としてはどうですか?」
イ「はい。気味が悪いです。帝国主義、国家主義、全体主義、差別の温床です。インドネシアにもスルタンがいますね。一刻も早い廃止を求めます。」
記「現在のドゴロニデ首相率いる前進共和党が推し進める“強いインドネシア”についてはどう思われますか?」
イ「これも気味が悪いです。市民生活を置き去りにして、腐った国家の威信をあげようだなんて帝国主義的で、国家主義的、全体主義的、差別的です。インドネシア国籍の保持者以外は様々な支援が受けられないなんて許されません。中でも、軍隊増強なんて戦争への第一歩ですよ。ただでさえパプアやオランダ等、周辺国家を脅かし、恐怖に陥れているのに、さらに覇権主義を推し進めるとは、これ程の愚かは無いです。時代に逆らっています。軍隊なんて気味悪いものは、早く武装解除して廃止にして、マレーシアやパプアニューギニアと手を取り合って東南アジア連帯と平和への第一歩を踏み出すべきです。」
記「そうですか。貴党に中国や北朝鮮の軍事パレードによく参加しておられる議員がいますが…。」
イ「平和的軍隊はいても大丈夫です。それは抑圧的戦争社会国家から市民を救い出す軍隊だからです。」
記「そうですか。最後に、貴国が極左テロ組織に援助しておられるとの事ですが、本当でしょうか?」
イ「いえ。それは噓です。」
記「ありがとうございました。」
以下総評
記:アブデュル・アセム
この政党は設立当初は置いといて、テ政権までは一応政権が取れる位のまともな事を言っている時期もあった(それでも結構怪しいが)。しかし、パンパン・イが中央委員長になってから、更に大飛び級で過激になった。今回の会談で分かった氏の経歴や思想で、その理由がハッキリと分かった。
しかし、言っている事をよく見てみると、理想論や反対ばかりで、その内容は限りなく薄い。
コンパス・ジャカルタ紙日本語版
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