バンドン極左暴動、勢力広げ内戦状態に

 市民社会党が中心になって展開されている無政府主義的な極左暴動がピークに達している。

 インドネシアの中でも左翼的と言われているバンドンの住民の中にも呼応する者が現れ、「ファシストを殺せ!、レイシストを殺せ!」の怒鳴り声と地響きは徐々に市内中心部に迫っている。

 特に過激化しているのは差別されてきた朝鮮人系の一派“カーディランA(正義のA)”で、この運動に同調しなかった同じ朝鮮人系の店を襲撃している。

 洋服店を襲撃されたデデホール・キムさんは「こんなのがいるから差別されるんだ。俺は家族を守る為、店の看板を守る為、ここにはもういられない。じきに街を出る。大層頭の悪い奴らだ。」と、この極左の運動に失望と無念をにじませている。

 州政府は武装治安部隊を展開させているが手に負えず、一昨日中央政府に国軍の派遣を依頼し了承された。

 彼らはこれを「武力を用いた正義への弾圧」と捉え対抗し、ウィルジャダルナヤ・フィナンシャルグループ(以下ウィルジャダルナヤFG)のバンドン支店銀行を包囲し占領。現金や重要な書類、職員は秘密の地下トンネルで脱出したという。

 既にインドネシア人同士の内戦状態になっているが、参加者の大体がそこに集結し、それを軍が包囲した為、まもなく佳境に入るとされている。

 今回の暴動でバンドンの地価は大幅に下落し、企業の資産の脱出が相次いでいる。かつてバンドン会議が開かれ、我が国が世界を代表して植民地主義への抵抗や平和を決議した地で、平和を謳う意味のない暴力が行使されるという何とも皮肉な結果である。

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