政府、公用文字をラテン・インドネシア文字に統一へ

 政府は今日、テュルキイェから帰国した首相を早速仕事に担ぎ出し、国内の全ての公的機関の使用文字をラテン・インドネシア文字に統一する事を決定した。

 大国民議会の議論は首相外遊前から白熱していたが、特に要点となったのは“独自の文字は国家のアイデンティティーであるから、公用として廃止すべきではない。また、ラテン文字だと西洋の属国のようだ。”というものである。特に、極右闘争発展党がこの説を唱えた。今までは、公用語としては簡化インドネシア語に統一していたが、特に公用文字についての規定はなく、地方によってはジャワ文字やアラビア文字(ジャウィ文字)、チベット文字(ゾクチェン文字)、バリ文字等、実に様々な物が公用文字として定められていた。

 これに対しソイセノ副首相は「そんなことは無い。例えば、中南米の国家は本来ラテン文字ではなくミシュテカ文字やマヤ文字、アステカ文字を使うべきという事になり、彼らは欧州の属国という事になる。しかし、彼らは誇りと共に独立している。アメリカだってそうなるが、属国どころか上回っている。そして何より、お前たちはインドネシアの建国理念を忘れたか。国父スカルノがなぜジャワ語でもマレー語でも無いインドネシア語を公用語にしたかというと多様性の中の統一理念に基づき、ジャワ人、マレー人の国ではないからだ。だから客観的に最も便利なこの文字を選んだのだ。これこそがアイデンティティーだ。インドネシア民族の存在意義であり、文字なのだ。それを言うなら、国語の純正化に取り組んだ方がよほどいい。」と反論した。

 結果、この案は可決された。 


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