首相、グレシックの追悼式に参加「死んでも許さない」

 昨日発生したグレシックのテロの第一回目の追悼式に、ジャカルタから大急ぎでやって来たアブド・ソイセノ首相が参加した。他にもジョグジャカルタスルタン・大国民議会議長ハメンクブウォノ10世も参加した。
 首相をはじめとして様々な政治家や著名人、スルタンや元王家の名家、市民らが一同に肩を並べて事件が起きたカルティニ通りを行進した。
 ソイセノ首相は行進後の演説で、学生時代の友人が死亡した事を明かし、「テロリストを決して許さない。死んでも許さない。どうなっても許さない。」と声高に叫んだ。
 加えて「我々は、民族は、国家はテロに屈してはならない。よく聞く文句だ。テロに屈さないのは当たり前だ。国家・民族・宗教は団結し、テロリストを最後の一兵に至るまで木っ端微塵に潰さなければならない。テロリズムという自分勝手で無価値な思想を徹底的に弾圧し、この世から抹殺しなければならない。新組織アル・サイハは国家の敵だ、民族の敵だ、人類の敵だ。まだ西カリマンタンで占領されている三つの都市の住民は野蛮なテロリストどもの思想弾圧等で苦しんでいる。既に何人も奴らに殺されたという。一刻も早い解放の為、西カリマンタンにはこの日の為に増強した大量の軍隊が到着した。最新のAI兵器によってテロリストだけが撃ち殺されるだろう。神聖な国土を穢された我が国は国民防衛の義務の行使を以て戦争状態に入る。テロリストよ、覚悟しろ。」とテロリストを強烈な言葉で非難し、西カリマンタンに国軍が到着したと発表した。その後、群衆と供に「許すな、許すな、許すな、許すな」と演壇から叫んだ。
 温厚な性格で知られるジョグジャカルタスルタンは短く、ゆっくりと「穢らわしい彼らはイスラムの敵だ、ムスリムの敵だ、イスラム教の面汚しだ。偉大なるアッラーを信仰する資格は無く、地獄の最下層に落ちるだろう。」と過去に例を見ないほど強烈な言葉で非難した。
 先日設置された情報軍によると三都市では思想弾圧により既に相当数の市民が女子供含め処刑されたものと見られると発表した。一説には既にテロの分も合わせて500人は犠牲になっただろうとしている。
 メキシコ、オーストララシア、イラン、華国の政府もこれらのテロリストに対する非難を行っている。
 世論は一気にテロリストの撲滅に傾く中で、社会学者、宗教学者、詩人のマハー・セパー・バガバクサカ氏は「これは第二次大戦に似ている。首相は民衆の憎悪の扇動が大変上手く、今まで軍拡政策に反対派だった世論も一気に軍拡は正しかったと言い出すだろう。そしてテロリストへの差別…というのも変な話だが、捕虜に対する扱いは憎悪を煽られた民衆によってリンチや殺人と変わらなくなるだろう。まるでユダヤ人差別を煽るヒトラーの様だし、降伏したドイツ人をリンチしたフランス人の様だ。」と警鐘を鳴らす手紙を我が社に送りつけてきた。

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